栗材の調理べらを追加！
経年変化を楽しめる道具です

岐阜に工房をかまえる木工作家、酒井桂一さんの作る調理べらを10年以上愛用しています。調理べらはいくつも持っているけれど、気づけば日々の料理にいつも選んでいるような気がします。

そんな使い慣れた調理べらを、2020年に桜材を使って白ごはん.comのオリジナルの形で作っていただきました。白ごはん.comストアでも発売後の数年間、在庫を入れてはすぐに売り切れてということをくり返した大変人気のある商品です。

・調理べら（大サイズ・桜材）
・調理べら（小サイズ・桜材）

そしてこの度、桜材とはまた違う材質で、木目の出方や経年変化がより楽しめる「栗材の調理べら」を追加いただきました（下の写真では、左が桜材、右が栗材となります）。

・調理べら（大サイズ・栗材）
・調理べら（特大サイズ・栗材/本ページの商品）

2020年の桜材へらの発売より少し前、たしか2019年だったと思うのですが、酒井さんには「桜材」と「栗材」の2つの試作品をお願いして作っていただきました。

その当時から、その試作品をずっと家で使っているのですが、桜材とは違うはっきりとした経年変化が出て、それでいて栗本来の硬さや水分への耐久性があるから、ヘタることなく愛用できています。

上の写真は、左が新品、右が僕が5年以上使っている同じ栗材の調理べらです（桜材の調理べらは倍以上長い期間使っていますが、新品と比べてもここまでの変化はありません）。

道具を日々使うことで、例えば萩焼の器ように貫入に茶渋の色味が何年もかけてじんわりと入っていって模様が浮き出てくるような、道具が自分の暮らし方に合わせて一緒に変わっていく、それが楽しめるいい道具だなと改めて感じることがあり、酒井さんに相談をして商品化することができました。

動かしやすく、扱いやすい
使い心地が良いから、「いつも」の道具に

調理べらのデザインはこれまでの桜材のものと変わりはなく、このページの商品は、より大きなサイズの調理べらとなります。

下の写真の右から順に、「栗の調理べら特大（本ページの商品）長さ30㎝」、「栗の調理べら大 長さ27㎝」、「桜の調理べら小 長さ23㎝」となります。特大サイズはひとまわり大きいので、大きめのフライパンや鍋をお使いになる調理シーンで特に活躍できると思います。

このシリーズの調理べらの特徴の一つが、へら先端の幅が細めの作りになっていることで、一般的に大きめのへら先端の幅は7㎝くらいのものが多いですが、この調理べら（特大）は約5㎝となっています。

僕の感覚では、このくらいの幅であることで、鍋やフライパンの中で動かしやすく、繊細な動きもできるように思います。

持ち手部分は程よく丸みをおびていて、握りやすく、手によくなじむ形状です。

そして、毎日使うことを想定して、先端部分にはしっかりと厚みがあります。

調理中、フライパンにへらをトントンと当てて、へらにくっついた食材を落とすことがあると思いますが、そのくらいのことでは欠けたり毛羽立ったりしにくいです（もちろん木材なのでフライパンも傷まないです）。

「いつも」使う道具だから、自分のしたい動作がやりやすく、そしてしっかり受け止めてくれるものを選びたいといつも思っています。気持ちよく日々料理と向き合うために。

それともう一つ、調理べら（大）の先の部分は、上のように若干水がすくえるくらいのくぼみを付けています。

このくぼみがあることで、へらで具材や汁気をすくう、たれの味見をするといった作業がやりやすくなるので、そういった用途でもぜひ使ってもらえたらと思います（←ここが白ごはん.comオリジナルでお願いした要望の一つなのです！）

繊細かつ頑丈な作りだから、
活躍シーンが多い！

炒める調理は、具材が多ければ多いほど、箸だけでは大変です。だからみんな調理べらを使うと思うのですが、僕としては『このあたりの野菜を裏返して炒めたい』『ひき肉をしっかりほぐしながら炒めたい』など、箸に近いピンポイントな使い方をしたくなる時が多々あります。

この調理べら（特大）は、大きいわりにちょっと繊細な作業もしやすく、そして同時に丈夫でもあります。

僕が毎日のように長年使い続けてきて、もはや欠かせない調理道具の一つになったのも、この2つが両立しているからなんだと思います。※ここから下の写真は使用シーンのイメージとして「桜材・大サイズ」の調理べらの写真を使用しています※

炒める、とろみをつける、盛り付ける、たくさんの調理シーンで役立ってくれます。

先端部分のくぼみは、幅広のへらではないのでたくさんすくい取ることはできませんが、上のようにちょっとした汁気や具材をすくい取って盛り付けたりするのには非常に便利だと思います。

（上の写真は「大サイズ」ですので、特大サイズはもう少し先端のすくう面の面積が大きくなるため、大サイズに比べ、よりすくい取る作業がしやすいです）

酒井さんの工房では、
かんなも何もかもが手作り…

調理べらは木工作家の酒井桂一さんが一点ずつ手作りされているのですが、工房に伺うとたくさんの驚きがありました。

上の写真（真ん中）のように、小さい鉛筆削りくらいのサイズのかんなをたくさん自作されていて、へらのなめらかなカーブを作るのにそれぞれ適したかんなを使い分けているそうです。

栗材は硬さがあって、加工が難しい部類の木材だそうです。また、栗材は木目の出方が力強く、下の写真のようにまっすぐだったり曲線を描いていたり、さまざまです。

また、色味は黄褐色で材質による色味の幅は少ないらしいですが、それでも若干の個体差があります。

そのため、購入いただく際にご注意いただきたいのが、木目の表情や色合い等にどうしても若干の違いが出る商品なので、サイトに掲載しているものと同じものをお届けできるわけではないこと、また木目の出方の指定はできないことをそれぞれご了承ください。そういった違いも、道具の味わいや魅力のひとつとして楽しんでいただけたらと思います。

ぜひ“自分の道具”という愛着も深めながら、長く使っていってもらえたらと思います。

［取り扱い等につきまして］
・本品は、食品用の亜麻仁油を表面に塗った状態でお届けしています。
・使い終わったあとは、なるべく早く柔らかいスポンジと台所用洗剤で洗ってください。
・水分を含んだまましまうとカビや臭いの原因となるので、洗ったあとは水気をふき取り、乾燥させてから収納してください。